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東京高等裁判所 昭和25年(う)2083号 判決 1950年11月14日

被告人

飯山竹造

外一名

主文

原判決を破棄する。

被告人飯山を懲役三年六月及び罰金二万円に

同大椙を懲役三年六月及び罰金二万円に

夫々処する。

被告人等において右の罰金を完納することでがきないときは、孰れも金二百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。

押収してある麻繩一筋(浦和地方裁判所昭和二十五年押第二六号の一)は没収する。

当審における訴訟費用は全部被告人等両名の連帯負担とする。

理由

弁護人趣訪栄次郎の控訴趣意第二点について。

しかし起訴の際に起訴前の罪名を変更した場合においても公訴事実の同一性を認められる限りは勾留状の効力は持続するものと解すべきであるところ、本件記録についてこれを調査するに浦和地方裁判所越ケ谷支部裁判官の発した被告人飯山に対する昭和二十五年一月二十四日附勾留状の罪名には殺人未遂等被疑事件と記載せられているのに起訴状の罪名は強盗殺人未遂等となつているけれども勾留状記載の被疑事実の要旨として援用されている逮捕状に記載されている被疑事実と起訴状記載の公訴事実とは犯罪事実としては全く同一であること明らかであるから、本件勾留状の効力は有効に存続するものと認むべきである。それゆえ右勾留状による本件勾留には何等違法の点はなく、従つて右勾留の違法なることを前提として被告人の原審公判廷における供述等を証拠として採用した原判決を非難する論旨は採用できない。

(本件は量刑不当に依り破棄自判)

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